1. サイトトップ
  2. 国・地域別に見る
  3. 欧州
  4. 英国
  5. 外国企業の会社設立手続き・必要書類

外国企業の会社設立手続き・必要書類

最終更新日:2020年10月22日

外国企業の会社設立手続き・必要書類

会社法に基づき、株式会社、保証有限会社、無限責任会社などの会社設立の場合、あるいは支店、駐在員事務所などの英国事業所開設の場合、企業登記局への登記が必要。英国での会社設立は、発起人の国籍を問わず、同じルールが適用され、企業形態により設立手続きが異なる。

管轄官庁

  • 企業登記局(Companies House外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

    カーディフ支部(イングランド、ウェールズの登記機関)
    Companies House Cardiff
    所在地:Crown Way、Cardiff CF14 3UZ, DX 33050, UK
    郵便物:DX 33050
    Tel:+44-(0)303-1234-500(各局共通)
    E-mail:enquiries@companieshouse.gov.uk(各局共通)

    ロンドン事務所・インフォメーションセンター
    London Office and Information Centre
    所在地:Ground Floor, 80 Petty France, Westminster, London, SW1H 9EX,UK
    郵便:郵便物は受け付けていないため、Companies House Cardiffへ

    エディンバラ支部(スコットランドの登記機関)
    Companies House Edinburgh
    所在地:4th Floor Edinburgh Quay 2, 139 Fountainbridge, Edinburgh EH3 9FF, UK
    郵便:DX ED235 Edinburgh 1

    ベルファスト支部(北アイルランドの登記機関)
    Companies House Belfast
    所在地:Second Floor, The Linenhall, 32-38 Linenhall Street, Belfast, Northern Ireland BT2 8BG
    郵便:DX 481 N.R. Belfast 1

    企業登記局へのアクセスと営業時間(Office access and opening times外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  • 国際通商省(Department for International Trade:DIT外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(英語、日本語)

    日本事務所
    Tel:03-5211-1100(東京)
    Tel:06-6120-5600(大阪)
    E-mail:nvestinuk.jp@fco.gov.uk

新規会社設立の概要

外国企業が英国で事業を行う場合、子会社や駐在員事務所、支店設立などの形態が考えられる。
英国での会社形態は会社法(Company Act 2006)で定められており、会社として次の3つの形態のほか、事業組織として、英国事業所、個人事業、パートナーシップ(合名・合資会社)、有限責任事業組合がある。
なお、企業の形態、特徴については、ユーロトレンド2011年2月号「英国会社法改正」を参照。

ジェトロ:ユーロトレンド2011年2月号「英国会社法改正(The Company Act 2006)」

  • 株式会社(Company Limited by Shares
  • 保証有限会社(Company Limited by Guarantee
  • 無限責任会社(Unlimited Company

株式会社は、株式の公開の有無により、公開会社(Public Company)と非公開会社(Private Company)に分かれる。

会社設立には、発起人自身が新会社を設立できる。また、既に設立されているが、まだ活動していない既成会社(Shelf Company, Ready Made Companyなどと呼ばれ、行政書士や会社設立代理人があらかじめ定款に標準的な規定を備えた会社を登記し、既成会社を設立・販売しているもの)を購入し、名義を書き換えて登記するという選択肢もある。

このほか、既存の活動している企業を合併・買収(Mergers and Acquisitions)するケースもある。企業買収の方法には、株式購入(Share Purchase)と事業購入(Business Purchase)、資産購入(Asset Purchase)等がある。

会社の登記

新規に会社を設立する場合、企業登記局への登記申請が必要。専用ソフトウエアによる登記、オンライン登記、書面郵送による登記のいずれかの方法で申請する。
既存の活動している企業を合併・買収する場合も、企業登記局への申請が必要。

書面郵送による申請の場合、会社の設立場所によって申請書の送付先が異なる。
設立場所がイングランドおよびウェールズの場合はカーディフ事務所に、スコットランドの場合はエディンバラ事務所に、北アイルランドの場合はベルファスト事務所に、申請書類を送付する。

必要書類は、主に次のとおり。

  1. 登記申請書(Form:Register a private or public company (IN01)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2019年5月15日付)
    商号、会社の形態、所在地、取締役とその住所、会社総務役(設置する場合)、資本金計算書もしくは保証書、法令順守申告、等
  2. 基本定款(Memorandum of Association)発起人が会社を設立し、その社員になる旨を記載したもの。
  3. 通常定款(Articles of Association)会社運営についての内部規定。

登記料は登記方法によって異なる。専用ソフトウエアによる登記は10ポンド、通常24時間で登記されるが、即日登記30ポンドも利用可。オンライン登記は12ポンド、即日登記はないが、通常24時間で登記可。書面郵送の場合、40ポンドで通常5日かかる。即日登記は100ポンド。
事務所によって営業時間や祝日が異なるため、確認が必要。

企業登記局で申請内容の審査が行われた後、会社が登記されると、社名・登記番号・登記日・会社形態・所在地が記載された設立証書(Certificate of Incorporation)が発行される。
また、新規の会社設立には、歳入関税庁(HMRC)への法人税申告のための登録も必要。
法人税の詳細は「英国:税制 法人税」 参照。

会社以外の事業形態の登記

  1. 英国事業所(UK Establishment

    外国企業が英国内に事業を行う拠点(Place of Business)や支店(Branch)、駐在員事務所(Representative Office)を開設する場合、英国事業所として企業登記局への登記が必要。
    英国事業所は、開設から1カ月以内に登記申請が必要。事業拠点の開設場所に関わらず、国内3カ所のいずれかの企業登記局事務所に、外国企業の英国事業所登記申請書(様式OS IN01)を提出する。

    英国政府:外国企業の英国事業所登記申請書:様式OS IN01(Form:Register a UK establishment of an overseas company (OS IN01)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

    OS IN01には、次の書類が必要とされる。

    1. 会社設立関係書類(定款等)の謄本(英語以外の言語で作成されている場合、その認証英訳版も必要)
    2. 本国の会社設立準拠法で公開が義務付けられている会計書類、事業報告、会計監査報告の謄本(英語以外の言語で作成されている場合、その認証英訳版も必要)
    3. その他
      登記後、申請内容に変更が生じた場合、変更から21日以内に企業登記局への届出が必要。
      本国にて、本国の法令に基づいて会計書類の提出を求められる企業の英国事業所は、本国の法令で定められた開示日から3カ月以内に企業登記局へ会計書類を提出しなければならない。
      登記された英国事業所には要求開示事項(企業名、設立国)を外国企業が事業を行っている英国内のすべての場所に掲示する義務もある。

    英国政府:外国企業への登録および開示ガイダンス(Guidance:Overseas companies in the UK: registration and filing obligations外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2015年3月23日付)

  2. 個人事業者(Self-employed/Sole Trader

    個人事業者(Self-employed)は、個人として自身の事業を行い、その事業に対して責任を負う。人を雇用することも可能。
    前会計年度に個人事業主としての収入が1,000ポンドを超える場合などは、Sole Traderという法的ステータスの登録が必要となり、歳入関税庁(HMRC)への登録が必要。また、毎年の納税申告書の提出、所得税と社会保険料(National Insurance)の支払いが義務付けられている。
    さらに、年間収益が8万5,000ポンドを超える場合、付加価値税(VAT)の登録も必要。
    付加価値税(VAT)登録の詳細は「英国:税制 その他税制」参照。

(参考)ジェトロ調査レポート

※レポート作成時の情報のため、現在の内容と一部異なる場合がある。

英国のEU離脱に伴う会社設立に関する変更について

会社設立や企業登録は英国の国内法に基づいて行われる行為であり、ほとんどの企業には離脱による影響はない。また、離脱後であっても2020年12月31日までの移行期間中は現行のままである。
しかし、2020年1月以降(移行期間終了後)、EU法に基づいて設立された欧州経済利益団体(EEIG)、EUの法人格を持つ欧州会社(SE)や欧州協同組合(SCE)、欧州経済領域(EEA)国籍の執行役員がいる英国の企業、EEA国籍の企業については移行期間終了と同時に扱いが変更となるため留意が必要である。

EEIGやSE、SCEは移行期間終了と同時に英国法に基づいて設立された組織として書き換えられる。また、これらの組織が英国で登録されている場合、必要に応じ移行期間終了前に登録国を英国以外のEU加盟国に移すこともできる。
また、2021年1月1日以降、英国企業とEU加盟国企業のEU 越境合併指令 (Directive 2005/56/EC)を利用した合併はできなくなる。現在、EU企業とのクロスボーダー合併作業を進めている企業は2020年12月31日までに全てのプロセスを完了させることが必要である。

詳細は英国政府企業登記局によるガイダンス「2021年1月以降の企業登録に関する変更について」、「2021年1月以降の企業登録内容の変更について」を参照。

新型コロナ感染拡大に伴う経済対策の一環として企業登記局は企業に経営上の留意点などを含むガイダンスを作成、ウェブ上で公開している。

合弁事業(Joint Venture

合弁事業の形態には、有限責任パートナーシップ(Limited liability partnership:LLP)、パートナーシップ等がある。
有限責任パートナーシップの場合、その構成員は収益に応じて納税し、事業の負債は出資額に対してのみ責任を負う。会計士事務所や弁護士事務所はこの形態が多い。
パートナーシップの場合、構成員は収益に応じて納税するが、事業の負債はすべての構成員が責任を共有する。

ジェトロ:ユーロトレンド2011年2月号「英国会社法改正(The Company Act 2006)」

外国企業の会社清算手続き・必要書類

会社を閉鎖する場合、登記抹消や清算の手続きが必要。登記抹消には企業登記局への届出が必要。清算については、イングランド、ウェールズ、北アイルランドに所在する企業の場合は企業登記局へ、スコットランドに所在する企業の任意清算の場合は、企業登記局に加えて、スコットランド債務超過局(AiB)へも書類提出が必要。事業所閉鎖の場合も、企業登記局への届出が必要。

会社の登記抹消

次の条件をすべて満たす会社は、企業登記局から登記を抹消することができる。条件を満たさない場合は、登記抹消ではなく、任意清算手続きをする。

  1. 清算のリスクがないこと。
  2. 3カ月間、株取引や売却をしていないこと。
  3. 3カ月間、商号を変更していないこと。
  4. 任意整理手続きなど、債権者との合意事項がないこと。

抹消申請書(Form DS01)に登記番号、商号、取締役名、過半数以上の取締役の署名(2人以下であれば全員から)を記し、手数料10ポンドとともに企業登記局へ提出する。
抹消申請書提出後7日以内に、申請書の写しを関係者(取締役、株主、債権者、従業員、管財人)に送付する。
申請後、官報に登記抹消手続き中である旨が公告される。特に異議申立てがない場合は、およそ2カ月で正式に会社は解散となり、官報に公告される。

また、企業登記局へ申請を行う前に、会社の資産や銀行口座の整理、従業員解雇、歳入関税庁(HMRC)への税務申告などを事前に済ませておく必要がある。

スコットランド政府債務超過局(Accountant in Bankruptcy:AiB外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

会社の清算

会社の撤退の主な方法の1つとして清算(LiquidationもしくはWinding up)があり、裁判所の命令による強制清算(Compulsory Liquidation)と、会社決議による任意清算(Voluntary Liquidation)の2つの形式をとる。
任意清算には、構成員任意清算と債権者任意清算がある。

構成員任意清算(Members' Voluntary Liquidation

会社の債務返済が可能な状況で、会社を閉鎖したい場合の清算方法。
取締役は、会社の状況について調査を行い、清算手続きを開始してから12カ月以内にすべての債務返済が可能であると判断した場合、支払能力宣言(スコットランドの場合はform 4.25)を作成し、事務弁護士または公証人立ち会いの下、過半数の取締役の署名を得る。
また、会社資産と債務に関する報告書を支払能力宣言に添付する。支払能力宣言への署名から5週間以内に株主総会を開き、会社の任意清算を行う旨の決議を行い、政府が認定する破産管理人の中から、清算手続きを管理する清算人(Liquidator)を指名する。任意清算の決議は、決議後14日以内に官報に公告し、決議後15日以内に企業登記局へ支払能力宣言を提出する。在スコットランド企業の場合は、スコットランド政府債務超過局(AiB)へ清算フォーム(form 4.25)を提出する。

  1. イングランド、ウェールズ、北アイルランド企業用
    英国政府:支払能力宣言(Form:Give notice of statutory declaration of solvency (LIQ01)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2017年4月6日付)
  2. スコットランド企業用
    スコットランド政府債務超過局(AiB):清算フォーム(Liquidation外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

清算人は決議通過後、5営業日以内に財務状況を記した文書(Statement of Affairs)を、所定の様式の関連書類と共に企業登記局へ送付する。また12カ月ごとに進捗状況の報告が必要。会社の事業手続きが完全に終了したら、清算人は最終報告書(Final Account)の写しを企業登記局へ送付。その後裁判所より解散延期の命令がなければ、最終報告書の通知が企業登記局に登録されてから3カ月後に会社は解散となる。

スコットランドの場合、清算人は、今後の事業と清算手続きのすべてを管理する。加えて、株主総会の決議から14日以内に債権者集会を開き、債権者への通知は開催7日前までに行う必要がある。

清算人は、最終の債権者集会および取締役に対し、清算手続きの過程を記した報告書を提出する。また、最終の債権者集会開催1カ月前には官報へ公告する。

債権者任意清算(Creditors’ Voluntary Liquidation

会社が債務超過により支払能力がなく、株主の同意を得られる場合の清算方法。
株主総会を開催し、議決権比率の75%以上の同意を得て、清算手続き開始の承認を得なければならない。
株主総会で清算手続きの開始が決議された後、清算人を選任し、15日以内に企業登記局(在スコットランド企業の場合は企業登記局エディンバラ支部)への決議の提出・官報への公告を行う。
また、決議の14日以内に債権者集会を開き、会社の状況を債権者へ報告した後、清算人は企業登記局(在スコットランド企業の場合はAiB)へ報告書を提出する。
債権者集会での状況報告には、状況報告書(rule 7.41)を使用する。

  1. イングランド、ウェールズ、北アイルランド企業用
    英国政府:状況報告書(Form:Rule 7.41 Statement of Affairs (company winding-up) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2017年4月6日付)
  2. スコットランド企業用
    スコットランド政府債務超過局(AiB):清算(Liquidation外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)Form 4.4 (Scot)

清算人は最終の債権者集会が開催された後、最終報告書を企業登記局へ提出し、裁判所より指令がなければ、提出後3カ月で会社は解散となる。

英国事業所の閉鎖

  1. 外国企業が、企業登記局に登記されている英国事業所を閉鎖する場合、同局へ閉鎖届(Form OS DS01)を提出する。

    英国政府:外国企業の英国事業所閉鎖届(Form:Give notice of closure: UK establishment of an overseas company (OS DS01)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2014年10月18日付)

  2. 外国企業が英国事業所を持ち、英国外の法律に基づいて清算されることになった場合、外国企業は企業登記局に外国企業清算届(Form OS LQ03)を提出する。

    英国政府:外国企業清算届(Form:Give notice of winding up of an overseas company (OS LQ03)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2010年5月3日付)

    1. 外国企業の清算人の選任届(Form OS LQ01)
      清算人に選任された者の氏名と住所、選任日、清算人の権限(一般法または会社の基本規約から生じるもの以外)などを記入し、提出する。

      英国政府:外国企業の清算人の選任届(Form:Appoint a liquidator of an overseas company (OS LQ01)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(2010年5月3日付)

    2. 外国企業の破産手続届(Form OS LQ02)
      英国事業所を持つ外国企業が清算以外の破産手続き(Insolvency Proceedings)に服する場合。企業登記局に外国企業の破産手続届(Form OS LQ02)を提出する。

      英国政府:外国企業の破産手続届(Form:Give notice of insolvency proceedings for an overseas company (OS LQ02)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(2010年5月3日付)

(参考)ジェトロ調査レポート
英国の倒産法 ‐特に任意整理について‐ 英国における会社、支店や駐在員事務所の任意清算手続きについて(2017年2月)

※レポート作成時の情報のため、現在の内容と一部異なる場合がある。

2020年6月26日付で新型コロナウィルス感染拡大に伴う経済対策の一環として2021年4月6日までの時限立法「2020年倒産とガバナンス法」が施行された。外国企業の会社清算手続き・必要書類に関わるものとしては、倒産が決まった企業に法的手続きまでの20日あるいはそれ以上の検討期間を付与する、または定期的な決算報告の提出期限を延長するといった措置を含んでいる。詳細は、以下リンク参照。

その他

特になし。