日本からの輸出に関する制度

茶の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する茶のHSコード

090210 : 緑茶(発酵していないもので、正味重量が3キログラム未満の直接包装したもの)
090220 : 緑茶(発酵していないもので、正味重量が3キログラム以上の直接包装したもの)

2019年4月1日以降、農食品・獣医庁(AVA)が解体され、シンガポール食品庁(SFA)が新設されたことで、AVAが所管していた輸入食品および動植物の管理・検疫業務が三つの組織へ分割移管されました。食品関連はSFAが、非食品関連は国立公園局(NParks)の管轄となり、非食品のうち動物・家畜部門はNParks内の組織である、動物・獣医サービス(AVS)が担当となっています。
SFAは、輸入管理品目である食品のHSコードをさらに細かく分類したSFA独自の商品コードを規定しており、輸入者は輸入許可申告の際に、HSコードとともにこの商品コードをシンガポール税関およびSFAに申告することが求められます。

シンガポールの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2019年7月

シンガポールの法令により輸入が禁止・制限されている品目
茶を含む加工食品の輸入は、シンガポール食品庁(SFA)が所管する食品販売法(Sale of Food Act)により規制されています。シンガポールへ輸出しようとする茶は食品販売法の付属法令である食品規制(Food Regulations)で定められている食品規格を満たしていなければなりません。茶の食品規格は食品規制の第IV部(食品規格と個別ラベル表示要件)第153項~第156項(茶)に記載されています。詳しくは「食品関連の規制」の「1.食品規格」を参照してください。
東京電力福島第一原子力発電所事故にかかる輸出規制
福島県産の茶およびその製品
シンガポール政府による輸入停止措置が取られているものは、福島県南相馬市、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村の緑茶およびその製品を含む全食品です。
福島県内のほかの市町村の緑茶およびその製品については、政府作成の市町村ごとの産地証明書(品目ごとに原産の県名と市町村名および数量が英語で正確に記載された商用インボイスにより代替可能)を提出する必要があります。なお、輸入者は出港日の前日までに、SFAに対し「産地(市町村)」、「品目」、「到着地(港・空港)」、「到着予定日」、「輸入者名」を通知する必要があります。
福島県以外の都道府県で生産された茶およびその製品
福島県以外の都道府県の茶およびその製品については、政府または商工会議所作成の都道府県ごとの産地証明(商工会議所の場合はサイン証明。また、品目ごとに原産の県名と市町村名および数量が英語で正確に記載された商用インボイスにより代替可能)が要求されています。
シンガポール政府は、同国内でのサンプリング検査で放射性物質が検出された場合は、当該商品の返送を求めています。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2019年7月

茶を含む加工食品をシンガポールへ輸出しようとする海外(マレーシアを除く)の食品事業所は、事前にシンガポール食品庁(SFA)の事業所認定を受ける必要はありませんが、SFAの規制調達先プログラム(Regulated Source Program)のもと、輸出国の政府管轄機関の適正な監督を受けている、あるいはSFAの認める品質保証体制を導入している事業所でなければなりません。輸入者はSFAから要請があれば提示できるように、輸出国の食品事業者から工場ライセンス(輸出国政府が発行)、輸出証明書(輸出国政府が発行)、(輸出国政府が発行)衛生証明書や、HACCP認証、GMP認証などのいずれかの書類を事前に取得していることが望ましいです。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2019年7月

日本の茶をシンガポールに輸出する際には、植物検疫証明書を取得する必要はありません。

シンガポールの食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2019年8月

茶の食品規格は食品規制の第IV部(食品規格と個別ラベル表示要件)第153項~第156項(茶)に記載されています。

茶は(Tea)通常の製造工程を経て加工された、あらゆる種類のチャノキ(Camellia sinensis)の葉と芽であり、4%以上7%以下の灰分を含有し、そのうち少なくとも半分は水溶性でなければなりません。また、少なくとも30%の水溶性抽出物を含んでいる必要があります。偽造製品、枯れたあるいは腐敗した製品、カビの生えた葉や茎、または着色・その他の目的のための物質を含んではなりません。

粉茶(Tea dust, tea siftings, and tea fannings)は、塩酸に溶けない灰分が5%以下であること以外の点において、規定された茶の基準に準じていなければなりません。

インスタントティー(Instant tea)は、チャノキのいずれかの品種の健康に良い茶葉を加工した、粉末状のものでなければなりません。インスタントティーは、15%以下の灰分、6%以下の水分、4%以上のカフェイン、7%以上のタンニンを含み、一方で着色料を含んではいけません。またインスタントティーは、沸騰したお湯を注ぎ、適度に攪拌した状態で30秒以内に溶け、淹れたての茶と同じような色、味、風味を有している必要があります。

抽出したお茶(Brewed tea)は、砂糖や牛乳の添加にかかわらず、茶、粉茶、あるいはインスタントティーから作られた飲料であり、着色料を含んではいけません。

関連リンク

関係省庁
シンガポール食品庁(SFA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
食品販売法 (Sale of Food Act)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品規制 (Food Regulations)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
第IV部(食品規格と個別ラベル表示要件)第153~156項(茶)参照

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2019年7月

シンガポールでは、国内で販売に供される食品全般の残留農薬をはじめ、残留抗生物質、残留エストロゲン、マイコトキシン、3-MCPD、メラミン、細菌混入などの偶発混入成分に関する基準を、食品規制に規定しています。

食品規制第9付表では、食品に残留する農薬の種類が列挙され、それぞれの農薬ごとに対象となる食品と使用が認められている農薬の最大残留基準値 (MRL)が明記されています(ポジティブリスト方式)。この残留農薬基準を満たさない食品の輸入、販売、広告などは禁じられています。本規定で明示されていない農薬については、原則として、コーデックス委員会(CODEX)の勧告に準じ、同委員会が設定した基準値を超えてはならないと規定されています。

残留農薬基準は、原則として農産物、水産物、畜産物を対象とするものですが、これらを原材料とする加工食品は、製造・加工の時点で使用された原材料の残留農薬が食品規制で定められた基準値以内としなければなりません。また、2種類以上の農薬が残留している食品については、それぞれの農薬について、実際の残留量を当該農薬の最大残留基準値で割った数値の合計が1を超えてはならないとされています。

関連リンク

関係省庁
シンガポール食品庁(SFA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
食品規制 (Food Regulations)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(545KB)
第Ⅲ部(General Provisions)第29項~35項(Incidental constituents in food)および第9付表(Food with maximum amounts of pesticides)、第11付表(Microbiological standard for food)に農薬、細菌等の最大残留基準値が掲載
その他参考情報
シンガポール食品庁(SFA) Commercial Food Imports(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2019年7月

シンガポールでは、国内で販売に供される食品全般の重金属をはじめ、残留抗生物質、残留エストロゲン、マイコトキシン、3-MCPD、メラミン、細菌混入などの偶発混入成分に関する基準を、食品規制(Food Regulations)に規定しています。

茶における重金属の最大残留基準値は、次のとおりです。

  • ヒ素:1 ppm
  • 鉛:2ppm
  • 水銀:0.5 ppm
  • スズ:250 ppm
  • カドミウム: 0.2 ppm
  • アンチモン:1 ppm

関連リンク

関係省庁
シンガポール食品庁(SFA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
食品規制 (Food Regulations)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(545KB)
第Ⅲ部(General Provisions)第31項(Heavy metals, arsenic, lead)および第10付表(Maximum Amounts of Arsenic, Lead Permitted in Food)に重金属の最大残留基準値が掲載
その他参考情報
シンガポール食品庁(SFA) Commercial Food Imports(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

4. 食品添加物

調査時点:2019年7月

シンガポールでは食品に残存することが認められる食品添加物は 14 の機能に分類され、食品規制(Food Regulations)で規定されている水準に従って使用される場合、食品への使用が認められます。シンガポール食品庁(SFA)では、その使用が認められている物質を表示するポジティブリスト方式を採用していますが、風味増強剤など一部については、使用が認められていない物質のネガティブリストを掲げています。食品規制で明示されていない食品添加物については、原則として、コーデックス委員会(CODEX)による国際食品規格に関する勧告に準じるものとされています。認可食品添加物および最大使用基準値は食品規制第3付表~第8付表および第13付表に掲載されています。

関連リンク

関係省庁
シンガポール食品庁(SFA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
食品規制 (Food Regulations)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(545KB)
第Ⅲ部(General Provisions)第15項~第28項(Food additives)、第3~8付表および13付表に食品添加物の最大基準値が掲載
その他参考情報
シンガポール食品庁(SFA) Commercial Food Imports(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
シンガポール食品庁(SFA) Food Additives Permitted Under the Singapore Food Regulations(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(242KB)

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2019年7月

食品に触れる容器包装は食品規制(Food Regulations)に一般規格基準が定められており、その規格基準に適合していなければなりません。個別食品に対する容器包装の規定は特に定められていません。

食品規制では、食品容器包装において、塩化ビニルモノマーの残留限度1 ppm以下を規格とし、塩化ビニルモノマーを0.01ppm以上食品中に溶出させるとみられる容器包装、あるいは発がん性、変異原性、催奇性またはほかの毒性または有害性のある物質であることが知られている化合物を食品中に溶出する可能性のある容器包装の使用を禁じています。塩化ビニルモノマーの残留限度1 ppmは、2012年9月の食品規制改訂で新たに加えられ、かつ溶出限度は0.05ppmから0.01ppmに引き下げられているため、注意が必要です。

また、食品規制では、食品の貯蔵、準備、調理の段階で、鉛、アンチモン、ヒ素、カドミウム、その他の毒性物質を食品に付与する可能性のある器具、容器、食器の使用を禁じています。

関連リンク

関係省庁
シンガポール食品庁(SFA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
食品規制 (Food Regulations)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(545KB)
第Ⅲ部(General Provisions)第37項(Containers for food)に容器包装・食器の規格が掲載
その他参考情報
シンガポール食品庁(SFA) Good Food Safety Practices(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

6. ラベル表示

調査時点:2019年7月

シンガポールでの販売時の表示義務は食品規制(Food Regulations)に規定されています。食品規制では、食品全般の一般表示義務項目として、包装済食品のラベルに次の項目を英語で表示することが求められます。1~4については印字の高さが1.5mm以下であってはなりません。

  1. 商品名または一般分類名
  2. 成分(2種類以上の成分からなる食品の場合、重量の大きい成分から降順に表示)
  3. 合成着色料名(合成着色料タートラジンなどを含有する食品の場合のみ)
  4. 内容量(正味容量または重量)
  5. 原産国および輸入者(代理人)名と住所
  6. アレルゲン表示(表示義務特定原材料8分類:グルテンを含む穀類、甲殻類、卵・卵製品、魚類・魚類製品、ピーナッツ・大豆類・それらの製品、乳・乳製品(ラクトース含む)、ナッツ類・ナッツ類製品、亜硫酸塩濃度10mg/kg以上の食品)ただし、茶はアレルゲン表示不要。
  7. 人工甘味料アスパルテームを含有する食品の場合の記載(“PHENYLKETONURICS: CONTAINS PHENYLALANINE.”)

これらの一般表示義務項目に加えて、期限表示、ある種の甘味料(アスパルテーム、サッカリン)を含む場合の注意事項、無糖食品や低カロリー食品など特別目的食品の表示、栄養表示など、追加表示義務に該当する食品がありますが、茶に関して追加表示義務はありません

栄養表示/カロリー表示を行う場合、食品規制第8A~9B項および第11項に規定されています。シンガポールでは、エネルギー価(Kcalまたはkj)、タンパク質(g)、炭水化物(g)、脂質(g)、その他の栄養素の含有量(g、ナトリウム、カリウム、コレステロールなどの分量はmcgまたはmg)を、食品規制第12付表で規定された「栄養情報パネル」(nutrition information panel、栄養情報パネルはビタミン、ミネラルの表示には使用できません)、あるいはシンガポール食品庁(S FA)食品管理部が承認した類似書式を用いて、ラベル表示していない限り、「エネルギー源」「タンパク質源」「低カロリー」「シュガーフリー」などと、当該食品に関する栄養面での強調表示を行うことができません。一方、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、葉酸、ナイアシン、カルシウム、ヨウ素、鉄分、リンなどのビタミンおよびミネラルの栄養表示を行う場合には、それぞれの食品に含まれるべきビタミン、ミネラルの含有成分量が1日あたり摂取目安量の6分の1以上含まれていなければならず、ビタミンおよびミネラルの強調表示を行う場合には、含有成分量が1日あたり摂取目安量の50%以上を満たさなければなりません。

茶の品目別食品規格については、「食品規制」の第IV部 第153項~第156項(Tea)を参照してください。

関連リンク

関係省庁
シンガポール食品庁(SFA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
食品販売法 (Sale of Food Act)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品規制 (Food Regulations)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(545KB)
第Ⅲ部(General Provisions)第5~12項(General requirements for labelling等)および第2付表(Date-marking of prepacked food)、第12付表(Form for nutrition information panel)に食品全般の一般表示要件、第Ⅳ部(Standards and Particular Labelling Requirements For Food)第54項(Flour confectionery)、第129項(Frozen confections)、 第152項(Sugar confectionery)、第168項~170項(Chocolate、Milk chocolate、Chocolate confectionery)に個別ラベル表示要件が掲載
計量法 (Weights and Measures Act)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
シンガポール食品庁(SFA) Labelling Guidelines for Food Importers & Manufacturers(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
シンガポール食品庁(SFA) A Guide to Food Labelling and Advertisement(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(620KB)

7. その他

調査時点:2019年7月

題食品安全パートナーシップ制度
農食品・獣医庁(AVA)は 2003年7月に食品業界の安全性を高める目的で「食品安全パートナーシップ制度(Food Safety Partnership Scheme)」を導入しました。この制度は、食品の生産者、輸入者、スーパーマーケット、食品小売業者を対象に独自の食品安全基準の導入と消費者への啓発を行う企業をAVAのパートナーとして認定する制度です。この認定を受けたシンガポール国内の大手スーパーマーケットなどは、食品の仕入れ先選定にあたり、HACCP 認証取得企業を優先しています。シンガポール食品庁(SFA)の設立後は、同庁が同制度を引き継いでいます。

シンガポールでの輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2019年7月

輸入事業者登録
茶を含む加工食品を輸入する際に、輸入者の輸入ライセンスは不要ですが、事前にシンガポール食品庁(SFA)に対し加工食品および食品容器の輸入に関する事業者登録が必要となります。
登録に必要となる書類は、(1)会計・法人規制庁(ACRA)に会社を登記した際に発行され、シンガポール税関に登録・有効化された個別企業登録番号(Unique Entity Number、UEN)、(2)輸入許可手数料をSFAが自動引き落しするための銀行口座(GIRO)開設申請書です。輸入事業者登録はSFAのライセンス申請サイトLicenceOne (SFA e-Licencing)を通じて行います。登録には1営業日を要し、登録費用は無料です。
輸入許可
あらゆる食品の輸入者は、シンガポール税関が所管する輸出入規制法に基づき、貨物がシンガポールに輸入される前に、貿易に関する電子データ交換システム「Networked Trade Platform」内の「トレードネット・システム」を通じて、船積みごとに事前申告を行うことにより、「輸入許可(Import Permit)」を取得しなければなりません。輸入申告には船荷証券(B/L)またはエアウェイビル(AWB)、インボイス、パッキングリスト(P/L)、必要に応じて衛生証明書(Health Certificate)などが必要となります。申告から輸入許可取得まで通常、1営業日を要します。
シンガポール税関と輸入管理品目である食品の輸入許可発給機関であるSFAによって輸入が許可されると、貨物通関許可(CCP)が発行されます。輸入者はCCPをプリントアウトして、通関のチェックポイントで提示することにより貨物を引き取ることができます。輸入者はCCPに特別な条件が付いていないか承認コードをチェックしなければなりません。
何らかの条件が付いていると、貨物は封印され、貨物を開梱して販売に供することができません。例えば、CCPの承認コードがA03となっていると、輸入貨物は政府認定試験所による検査を受けなければならないという意味です。輸入者は政府認定検査・試験所eサービスを通じて検査をオンライン予約して、SFAの検査官によるサンプリングおよび検査を受けます。検査で不合格となれば、輸入業者は輸入した貨物を輸出元へ返送するか廃棄処分しなければなりません。違反した場合はその性質によって、輸出国または輸出国の生産者からの輸入停止措置が取られることもあります。
茶を輸入する場合、輸入許可手数料は無料ですが、輸入時点の為替レートで換算し、財・サービス税(GST)をシンガポール税関に支払います。GSTの支払いは、輸入者(代理人)があらかじめシンガポール税関に対し開設している専用口座から自動的に引き落とされます。
商品の事前登録
茶を含む加工食品をシンガポールに輸入する際には、原則として輸入者がSFAに商品を事前に登録する必要があります。
また、必須ではありませんが、輸入者は輸入しようとする商品を分析のためSFAの政府認定試験所に送って品質管理チェックを自主的に行うことが奨励されています。
事前登録制度にかかわらず、輸出入規制法に基づき、輸入許可が発行され、次の項目の情報が輸入許可に反映されている場合、その商品は登録されたものとみなされます。
  1. 商品のブランド名または生産者名
  2. 輸入者の会社名
  3. 輸入者の住所
  4. 商品明細
  5. 原産国
  6. 数量、単価
  7. 到着日

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2019年7月

茶の輸入通関にあたり、船荷証券(B/L)またはエアウェイビル(AWB)、インボイス、パッキングリスト(P/L)に加えて、必要に応じて、産地証明書(品目ごとに原産の県名と市町村名および数量が英語で正確に記載された商用インボイスにより代替可能)、衛生証明書、製造元工場ライセンス、製造元工場で取得している品質管理システム、分析試験検査報告書といった書類が必要になります。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2019年7月

シンガポール食品庁(SFA)により検査強化品目に指定されているのは次の食品です。

  1. 包装されたミネラルウオーター、飲料水、氷
  2. ココナッツミルクとすりおろしたココナッツ、ナシレマ
  3. 乳児用シリアルと粉ミルク
  4. カタツムリ
  5. 最低限加工された果物と野菜
  6. 低温殺菌液体ミルク
  7. 伝統的なケーキ(kueh kueh)
  8. カットされたサトウキビ
  9. 月餅

以上の検査強化品目に指定されていない食品を輸入する際には、輸出国からの動植物検疫証明書や試験検査報告書などの書類の提示は求められませんが、SFAが導入している体系的監視プログラムのもと、食品安全性試験のための食品サンプリングに加え、記述内容を含めた表示要件への順守に関する食品の検査を実施しています。

各食品の試験項目は、食品に関連するリスクに応じて異なります。SFAは基本的な試験検査項目として次のリストを公表しています。このリストは網羅的なものではなく、SFAはリストに記載されていない追加項目について試験を実施することもあります。

理化学試験検査項目
  1. 残留農薬:有機塩素、ピレスロイド、N-メチルカルバメート、ジチオカルバメート、有機リン酸塩
  2. 保存料:安息香酸、ホウ酸、ソルビン酸、二酸化硫黄、メチルパラベン、メチル-p-ベンゾエート、プロピルパラベン、プロピル-p-ベンゾエート、ホルムアルデヒド
  3. 重金属:ヒ素、アンチモン、カドミウム、銅、鉛、水銀、スズ、セレン、無機ヒ素
  4. マイコトキシン:アフラトキシン(B1&2、G1&2)、オクラトキシンA、フモニシン、デオキシニバレノール、ゼアラレノン
  5. 着色料:パラレッド、スーダンI、II、III&V、クリソジン、ベーシック黄色
  6. 甘味剤:アセスルファム-K、スクラロース、ステビオシド、サッカリン、シクラメート、レバウジオシド
  7. その他:ブロメート
微生物試験検査項目
コロニー数/プレート数、大腸菌群、大腸菌、糞便大腸菌、大腸菌O157、サルモネラ、枯草菌、バチルスエンテロトキシン、クロストリジウムパーフリンジェンス、リステリアモノサイトゲネス、ブドウ球菌、ブドウ球菌エンテロトキシン、クロストリジウムボツリヌス菌
茶は検査強化品目に指定されていません。

4. 販売許可手続き

調査時点:2019年7月

食品小売り販売許可のための要件
食品小売り販売許可は、以前はシンガポール国家環境庁(NEA)の管理下にありましたが、2019年4月1日以降、シンガポール食品庁(SFA)の管轄になりました。2019年3月31日以前にNEAから発行されたライセンスに関しては、当該ライセンスに記載された期日までは有効です。
レストラン、カフェ、バーなどの外食店、ケータリング事業者、スーパーマーケットを含む食品小売事業所は、環境公共衛生法のもと、SFAから食品店舗ライセンス(Food Shop Licence)を取得しなければなりません。ライセンスは1年間有効で年間ライセンス料が195 Sドル(レストラン、カフェ、バー、ケータリング事業者等)または250 Sドル(売り場面積が200平方メートル以下のスーパーマーケット)または500 Sドル(売り場面積が200平方メートル超のスーパーマーケット)かかります。
ライセンス取得までに1週間から数か月を要します。諸要件を満たすための店内の改装や、規定に順守しているか確認するための事前実地検査、必要書類の準備、ライセンス料金の支払いなど、それぞれにかかる時間によります。
ライセンスはシンガポール政府ライセンス申請サイトLicenceOne(SFA e-Licensing)を通じてオンライン申請できます。申請に必要な書類は次のとおりです。
  1. 店舗となる建物や土地を管理する政府機関からの使用許可
  2. 賃貸借契約書(ライセンスを承認して発行する前の最終段階でのみ必要となるため、承認前の段階では契約しないことが推奨されます)
  3. 申請者に関する次のうちのいずれかの情報
    • 個人の場合、国民登録管理カード(NRIC)の両面
    • 会社の場合、会計企業規制庁(ACRA)からの事業構成情報
    • その他の団体の場合、団体登記機関が発行する登録証明書
  4. 食品取扱者の保有する基本食品衛生証明書あるいは飲食物衛生証明書
  5. 食品衛生責任者の保有する食品衛生責任者証明書(ケータリング、レストラン、フードコート、食堂事業者のみ)
  6. 清掃プログラム
  7. 物件のレイアウト図面
  8. 認定書(申請がライセンス保有者あるいはライセンスを保有する会社の社員によってなされない場合)
  9. げっ歯類、ゴキブリおよびはハエなどを対象とした年間ライセンス期間中の駆除契約書。契約の対象となる食料品店の敷地内検査の頻度は、害虫の侵入のいかなる兆候をも検出するために、少なくとも月に1回とする。
  10. 営業時間、店舗名、販売品目などに関する補足情報
  11. (重要管理項目が特定されている)食品安全管理計画または「WSQ Apply FSMS for Food Service Establishments」コースへの参加申込(ケータリング事業者のみ)
  12. ケータリング車両の内部と外部を写した写真
  13. ケータリング車両の所有権を証明するための貸し出し車両の車両記録カードあるいはテナント契約
  14. ケータリング車両の清掃プログラム
食品加工工場や食品貯蔵・保管施設などの運営許可のための要件
茶を含む食品の卸売りを目的とする食品貯蔵・保管倉庫、食品加工工場(セントラル・キッチン、容器包装の詰め替えを含む)などの食品事業所の設立には、食品販売法(Sale of Foods Act)の下、SFAより食品事業所ライセンス(Food Establishment Licence)を取得しなければなりません。なお、食品貯蔵倉庫(Food Storage Warehouse)はACRAへの登録と施設登録が必要となります。許可申請にあたり、次の書類が必要となります。
  1. 施設のレイアウト図面
  2. 食品加工フローチャート
  3. 製品の明細
  4. 施設メンテナンス・プログラム
  5. 清掃・衛生プログラム
  6. ごみ処理プログラム
  7. 害虫管理プログラム
  8. 最終製品の搬送車
  9. 食品衛生責任者の氏名・経歴などの明細
  10. 食品取扱者の氏名などの明細
  11. 施設の賃貸借契約書
ライセンスはSFAライセンス申請サイトLicenceOne (SFA e-Licensing)を通して申請できます。許可申請には申請手数料(初回のみ)として157.50 Sドルがかかります。年間ライセンス料は次のとおりです。
  1. 食品加工工場の運営ライセンス
    • 食品加工工場で敷地面積が200平方メートル未満:180 Sドル
    • 食品加工工場で敷地面積が200~750平方メートル未満:360 Sドル
    • 食品加工工場で敷地面積が750平方メートル以上:600 Sドル
  2. 食肉・水産物保管用冷凍・冷蔵倉庫を除く食品貯蔵・保管倉庫の登録:無料

5. その他

調査時点:2019年7月

施設登録・認定
シンガポールでは食品事業所(Food Establishments)や食品小売事業所(Food Retail Establishment)を開設する際に、出店可能な場所の制約があります。政府所有の商業用不動産については公営住宅を管理する住宅開発庁(HDB)、工業用不動産を管理するジュロンタウン公社(JTC)などが管轄し、民間所有の商業用不動産については都市再開発庁(URA)が管轄しています。URAは民間所有の不動産用途を18クラスに分類しており、業態と物件によっては、用途の変更申請が必要なものや営業時間の制約を受ける場合もあります。
食品小売事業所を運営するには、URA管轄下にある民間所有のショッピングセンター、複合コンプレックス、ホテル、ショップハウスなどで用途分類クラス1(Shop)、クラス3(Restaurant)、クラス15(Nightclub)などが認可された出店場所となります。また、食品事業所を運営するには、JTCから食品工業用の土地をリースして施設を建設するか、JTCが所有する既設工業用ビル(Ready-Built Space)、あるいはURA管轄下にある民間所有の商業用不動産で用途分類クラス8(General Industrial Building)またはクラス10(Warehouse)のスペースをリースすることになります。
食品小売事業所または食品事業所の営業許可を取得するには、店舗の設計や設備がシンガポール食品庁(SFA)の定めた規定や条件を満たさなければなりません。そのため、事業所内装の着工を行う前に、レイアウト図面をSFAに提出して仮許可を受ける必要があります。また、店舗内装が完成してからも、SFAの職員による立入検査によって図面通りに工事がなされたかをチェックされます。
食品小売事業所または食品事業所にはSFAの係官が不定期に実地検査に入り、店舗の衛生状態やラベル表示などに関して検査を実施します。検査結果に応じて4段階(A~D)のランクに査定され、衛生・表示基準などの法令に違反して減点ポイントが12ポイントとなると、営業停止または免許取り消し処分を受けることがあります。
また、SFAは2020年後半から現行の制度に代わって、新たな食品衛生認定制度(Food Hygiene Recognition Scheme)を導入する予定です。食品衛生認識計画では、衛生上の大きな問題が認められない期間によって店舗ごとに3段階(Bronze:2年以上、Silver:5年以上、Gold:10年以上)に格付けし、当該店舗が重大な衛生上の違反による営業停止、あるいは、食中毒事件に関与した場合は格下げをするというものです。最初のランク(Bronze)を獲得するためには衛生上の問題を起こさない期間が2年間必要ですが、食品小売の営業許可を新たに取得した場合は、事業開始から最大2年間、’Working towards excellent hygiene track record’のラベルを表示することができます。
衛生管理者などの配置
食品事業所または食品小売事業所の営業許可を取得するためには、食品衛生管理者(Food Hygiene Officer)の資格を持つ者を管理者として1人以上擁していなければなりません。食品衛生管理者は、食品・飲料衛生監査コース(WSQ Conduct Food & Beverage Hygiene Audit course)に合格しなければなりません。また、すべての食品取扱者は、食品衛生基礎コース(WSQ Basic Food Hygiene Course)の修了証書を取得し、SFAに登録する義務があります。ただし、食品・飲料衛生監査コースに合格した人が、食品取扱者になる場合は食品衛生基礎コースを修了する必要はありません。さらに、ケータリング事業者には、より高度な食品衛生基準が求められ、2019年4月以降、新しく免許を申請するケータリング業者は、食品サービス事業のためのFSMS(Food Safety Management System)申請コースに出席する職員を任命し、当該コースに合格する必要があります。加えて、ライセンス発行後3カ月以内にFSMSプランを提出し、それに従う必要があります。また、新たに免許を更新するケータリング業者は、免許更新日の少なくとも3カ月前までにFSMSプランを提出し、それに従う必要があります。更新日までに、要件を満たすことができなかった場合、当該ケータリング業者は事業を中止する必要があります。
食品衛生コースなどの職業上の能力・技術を国家資格として認める労働力技能資格(WSQ) 制度は、教育省および人材省傘下のスキルズフューチャー・シンガポール(SkillsFuture Singapore、SSG)が所轄しています。

関連リンク

関係省庁
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根拠法等
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その他参考情報
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シンガポール食品庁(SFA) Singapore's Food Safety Standards(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
シンガポール食品庁(SFA) Good Food Safety Practices(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
シンガポール食品庁(SFA) Responsibilities of Food Establishment Operators(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
シンガポール食品庁(SFA) Food Hygiene Recognition Scheme(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
シンガポール食品庁(SFA) Information for Food Handlers(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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At-Sunrice GlobalChef Academy Be a Qualified F&B hygiene Officers(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
国家環境庁(NEA) Code of Practice on Environmental Health(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1083KB)
スキルズフューチャー・シンガポール(SSG) 労働力技能資格(WSQ)制度(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます