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世界の見本市ビジネストレンド ドイツ見本市産業 – 2021年8月にデュッセルドルフからリアル展を再開

株式会社メッセ・デュッセルドルフ・ジャパン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは7月8日、新型コロナウィルスCOVID-19の影響による開催予定のメッセの最新情報を発表した。2020年から延期された22件を含む65件のうち中止17件、2022年へ延期13件、開催済み10件を数えた。2021年8月からリアル展をドイツで開催するメッセ・デュッセルドルフ・グループ日本代表の株式会社メッセ・デュッセルドルフ・ジャパン代表取締役社長 小原暁子氏にドイツを中心に見本市産業の現状及び今後の展望などについて伺った。

株会社メッセ・デュッセルドルフ・ジャパン
代表取締役社長 小原 暁子 氏

Q1:ドイツ見本市産業へのコロナの影響は?
A1:ドイツでは2020年3月から2021年6月まで、2020年9月にメッセ・デュッセルドルフが開催したCARAVAN SALON Düsseldorf-国際キャラバン・キャンピング展をほぼ唯一の例外として、大型かつ国際的なリアル展は中止か延期、またはオンライン化を余儀なくされている。CARAVANは出展・来場ともにEU域内中心だったとはいえ、来場者数は11万人近くにのぼった。州当局の防疫措置基準に加え、メッセ・デュッセルドルフ独自のPROTaction (プロダクション)感染対策が功を奏し、ひとつの感染症例も発生しなかった。リアル展示会再開のトリガーになると期待したが、感染状況がそれ以上に厳しさを増し、以降リアル展の開催はない。
中止・延期による業界への金銭的打撃はもちろんだが、展示会というビジネスモデル自体がチャレンジされたことのインパクトのほうが大きかった。メッセ・デュッセルドルフの設立は1947年だが、ドイツにおけるメッセの歴史は鎌倉時代にさかのぼる。長い歴史の中に多少の失敗はあっても、本質的な意義を問われたのは少なくとも戦後初ではないだろうか。我々に限らず全世界の主催会社が現在も取り組んでいる課題だろう。
だが2021年は、8月27日~9月5日開催の我々のCARAVANを皮切りに、ミュンヘンやケルンなどドイツ各地で大型イベントが次々と再開される予定だ。メッセ・デュッセルドルフとしてもCARAVANの後に、10月26日~29日にA+A 2021-国際労働安全機材・技術展、11月15日~18日にMEDICA 2021-国際医療機器展が控えている。空気は、変わった。

(CARAVAN SALON Düsseldorf)

(MEDICA)

Q2:(株)メッセ・デュッセルドルフ・ジャパンのミッションは?
A2:デュッセルドルフに加え、ロシアやインド、中国、シンガポール、タイ、インドネシアなどでの展示会への日本企業のご参加に協力し、日本から世界に飛び出す架け橋と位置付けている。デュッセルドルフ開催は年間30件程度、それ以外は20件程度だが増加傾向にある。メッセ・デュッセルドルフの展示会場は東京ビッグサイトの2倍以上だが、グローバルNo.1と評価される展示会は特に、すぐ出展枠がいっぱいになってしまうのが贅沢な悩み。このため、アライアンスと呼ばれる、包装技術であればドイツのinterpackだけでなく、中国のswop、タイのPACK PRINT INTERNATIONAL外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますやインドネシアのINDOPACK外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなど、全世界に拡げた提案もしている。
展示会とは別に、メッセ・デュッセルドルフは2000年から、オリパラでのドイツ選手団ホスピタリティハウス「ドイツ・ハウス」の運営をドイツ・オリンピックスポーツ連盟から委託されており、現地子会社やレップが動いている。今回の東京では残念ながらドイツ・ハウスの設置はなくなったが、来日後の活動制限が厳しくなっている連盟スタッフのサポートをしている。
Q3:開催中止や延期は社長などの経営陣が決めるのか?
A3:ドイツでは州ごとに決定される。ノルトライン・ヴェストファーレン州では「7日間指数」という、直近7日間の人口10万人当たりの新規感染者数を基準値とした基本方針の上に、イベントごとの防疫対策基準が適切かで判断がなされる。メッセ・デュッセルドルフではそれに加え、出展・来場両面に関与する各企業を含む組織委員会のご意見を容れての最終決定となることが多い。
日本との違いがあるとすれば、自治体の指針に従うのはもちろんだが、開催可能な状況にあっても開催の可否や形式を決めるにあたっては、展示会それぞれの特性が重視されるという点かもしれない。例えば、この8月にCARAVAN、10月にA+Aを開催するが、その間に予定されていたREHACAREは残念ながら開催を見送った。国際リハビリテーション・福祉・介護機材展という名称が示す、来場者の属性を考え、その危険度を考慮したうえでの判断だ。
ドイツ以外を見ると、コロナ禍が非常に厳しい状況にあるシンガポールやタイのように開催中止や2022年へ延期する国もあるが、中国は2020年9月から通常どおり開催しており、ブラジルも「もう国民の半数近くがワクチン打ったし、ブラジルはもう通常運転だ」とブラジル子会社社長は意気軒高だ。
Q4:延期を繰り返した場合、出展者はどうなるのか?
A4:当初は出展料を次回にロールオーバーしていた。ただし、延期のすえ中止となったケースもあったので、延期する場合、延期できる期間を定め、その期間に実施できなければ中止するという規約の変更を行っている。が、これも展示会の特性に応じて対応を変えている。
Q5:ドイツとドイツ以外でのオンライン見本市に違いはあるのか?
A5:オンライン見本市は全世界的にまだ過渡期で、国ごとよりも業界ごとの違いのほうが大きいと感じる。しいて日本との違いを言えば、EUのGDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)は個人情報の取り扱いが極めて厳しい。例えば、日本のバーチャル展では、バーチャルブースをワンクリックしただけの来場者データでも貰える場合があるが、メッセ・デュッセルドルフではライブセッションの事前登録者やチャットへの参加者など、来場者データの入手ルートは日本に比べると限定されている。「濃いデータ限定」とも言える。
Q6:オンラインの失敗例と成功例は?
A6:何をもってオンラインの成功・失敗とするか、定義はまだ模索中ではないか?2020年のMEDICAはメッセ・デュッセルドルフ初のオールオンラインのイベントとなったが、準備期間が短かったためシステム上の混乱が大きく、内容以前のところで一部出展者から厳しいご評価をいただいてしまった。
これに対して、当初2020年4月に開催予定だった印刷機械の展示会drupaは1年延期の判断ののち、開催半年前にオンライン開催が決定された。会期に向けて盛り上げていくために、drupa Preview外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと銘打って2020年10月から2021年2月まで4回ウェブセッションを開催した。都度50社ほどのライブセッションがあったが、毎回登録人数と参加人数が増えたことは、一定程度目標を達成できたと考えている。
Q7:2022年に向けてオンラインを進めながらハイブリッドでやっていくのか?
A7:デジタル・ハイブリッドの重要性は今後間違いなく増大する。ただし、個別の業界や出展者、来場者の属性によってどういう形がふさわしいのかを考える必要がある。
先に紹介したREHACAREは、オンラインなしの中止と決定された。リハビリテーションの器具は使用者の体感が一番大切な製品なのに、デジタルでは製品を見せることはできても質感も重さもわからないからという判断だと思う。
メッセ・デュッセルドルフはグローバルNo.1であろうとするがゆえに、渡航制限などリアル展再開にむけた障害はより大きい。ただ、洋の東西を問わずリアルを求める声は大きい。「出展企業も、もう1年半も何もかもがバーチャルで飽き飽きしている」とシンガポール子会社社長も言っていた。
Q8:2020年~2021年上半期のリアル展への日本の出展者にはどう対応したのか?
A8:例えば、中国だと入国できないので、ローカルスタッフがブース対応する形で出展いただいた。また弊社でも、展示品は送るが、現地に人を行かせられないというご要望に応えるため、ハイブリッドパビリオンという形で、商談を含めたサポートスキームを提案している。
Q9:出展企業に対するコロナの影響は?
A9:展示会をROIの観点から問い直す企業は、特に巨額の投資を行ってきたところで多いだろう。展示会によっては展示する機械を運ぶだけで数千万円、搬入・搬出期間を含めた出張者のホテル代だけで数百万円、それだけの費用対効果はあったのか?バーチャルになってどうなのか?厳しくみているお客様はいると思う。
ただこれはコロナ以前からあった傾向で、判断はもちろん各社しだいだが、「予期せぬ出会い」はリアル展示会のもつ、自社イベント含めて他の追随を許さない価値だと思う。「何を、どこに、どうアピールしたいか」をそのつど考えて手段を選び取るようになるのではないか。 それよりも、ドイツを含め世界はすでにグローバルビジネス再開にむけて着々と動いているのに、日本はワクチン対策の遅れもあってか、「年内は無理」というあきらめモードを感じることがあり、出遅れにつながりはしないかと少し心配になる。
Q10:オンラインはB2Bに向いていないのか?
A10:出展者が3000社を超えるリアル展示会も多いなか、3000社をウェブで見たいか?キーワード検索で500社に絞り込んだとして、すべてを見るのはかなりな苦行。展示会場を歩いていれば2日あれば、結果的に500社くらいは見て業界の動向がわかり、さらに下調べでは気づかなかった出会いに恵まれるかもしれない。オンラインには大規模イベントよりもっとフォーカスされた、全社舐めるように見て達成感を得ることができる「気持ちいい規模」というのがあるのではないかと思う。
一方、virtual drupaでとある日本企業のセッションに参加したところ、参加人数はこれまでのリアル展をはるかに超えたとのことだった。物理的な制限を飛び越えられるという利点は大きい。ただし、ビジネスの最終Goを出すには、お互いの熱量を感じたうえでの信頼構築が不可欠で、それを可能にするのがリアルだと思っている。
(市場開拓・展示事業部 主査 皆川 幸夫)

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