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加プリンス・エドワード・アイランドのクリーンテッククラスター、イノベーションPEIに聞く

(カナダ)

トロント発

2021年10月15日

カナダのプリンス・エドワード・アイランド(PEI)州でイノベーションを推進する政府関係機関のイノベーションPEIの投資誘致担当シニアディレクター、ブラッド・ミックス氏に、同州のクリーンテッククラスターについて話を10月5日に聞いた。

2040年にカナダで最初のネットゼロ実現目指すPEI

カナダは石油埋蔵量世界3位、シェールガスは可採掘埋蔵量世界5位の資源国だが、PEIは州内に石油・天然ガス産業がないため、環境テクノロジーと再生エネルギーの開発への取り組みが活発だ。周囲を海に囲まれ、風が強いという地理的特徴を生かして、州の電力の約98%を風力発電が占めている。そのような背景を持つPEIでは、2040年に二酸化炭素排出量ゼロ、いわゆるネットゼロをカナダ10州と3つの準州の中で最初に達成するという目標を掲げている。この分野の企業に対しては、連邦、州、市町村の全ての行政レベルが同分野での企業誘致への支援を惜しまない。PEIのサマーサイド市では太陽光発電所の開発をしていて、韓国サムスン系列の再生エネルギー会社サムスン・リニューアブル・エナジーが2017年から蓄電プロジェクトを開始し、カナダの公的資金からの補助金約300万カナダ・ドル(約2億7,300万円、Cドル、1Cドル=約91円)が投入されている。また、同プロジェクトの第2弾として、2020年1月には約6,900万Cドルの太陽光発電とバッテリーシステムの開発計画「サマーサイド・サンバンク・プロジェクト」が発表され、連邦政府から2,630万Cドル、州政府から2,190万Cドル、その他自治体からも投資されていることが分かっている。

ミックス氏は「われわれは、再生可能エネルギー技術を持つ他の国とも協力したいと思っている。風はいつも吹いているわけではないし、太陽はいつも輝いているわけではない。そのため、われわれはバックアップ用エネルギーの蓄電システムを探している。特に、水素エネルギーの開発は、PEIが他州に遅れている分野でもあり、グリーン水素ソリューションは州政府や市町村が積極的に取り組んでいる分野だ。風力発電には余裕があるので、電解槽を持つ企業があれば、環境にやさしい水素が作れる環境がここにはある」と州の重点分野を紹介した。最後に「PEIは人口約15万人で市場としてはとても小さいが、実証実験をするには最適な場所だと思っている。サムスンがPEIで開発プロジェクトを実施すること自体が重要なのではなく、今後彼らが他の都市の電力会社へ売り込んでいくための目玉プロジェクトをしていることに注目してほしい。もし、日本企業とも同じような方法で協力できれば、まだ北米に進出していない企業にとって、良い実証プロジェクトの場所となると信じている」と締めくくった。

(江崎江里子)

(カナダ)

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