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中銀が外貨取り扱い制度変更、輸出者の手元外貨は40%に

(エチオピア)

アディスアベバ発

2021年10月04日

エチオピア中央銀行が新たな中央銀行令(FXD/73/2021)を9月1日に発行し、国内に流入する外貨の取り扱いを変更している。中銀はたびたび外貨制度を変更しており、直近では、2021年3月9日に制度変更を行っている(2021年3月25日記事参照

今回の中央銀行令では、外貨一時保有口座(注)を持つ輸出者や国外送金の受領者は、国外からの外貨入金時に入金額の40%を期限の定めなく外貨で保持し続けられる(改定前は31.5%)。この保有外貨の使途に制限はなく、必要な商業ライセンスを持っていれば、品目に制限なく、輸入や外国企業の役務への支払いなどに利用できる。残り60%の外貨は国と市中銀行に供出するかたちとなり、入金当日の為替レートを用いた見合いの金額を内貨で受け取る。

口座保有者の手元に残らない外貨(60%)のうち、50%が銀行システムを通じて中央銀行の外貨枠として留保され、10%は口座を取り扱う市中銀行が管理する外貨枠となる。市中銀行は、中央銀行向けに留保した外貨を翌月5日までにまとめて中央銀行に報告し送金する(中央銀行令FXD/72/2021)。この部分では、従来と比べて、国への外貨配分が増加した(30%から50%へ)一方で、口座を管理する市中銀行への配分が減少した(38.5%から10%へ)。

今回の変更は、慢性的な外貨不足に悩むエチオピアで、輸出などで国に外貨をもたらす事業者(外貨一時保有口座の保有者)への配慮がみられる。しかし、輸入ビジネスのみを行う事業者にとっては、輸入にますます時間がかかる制度変更になったと言える。なぜなら、エチオピアの輸入決済手段は事実上、信用状(L/C)取引に限られており、輸入者は取引銀行が持つ外貨をあてにして信用状開設を待つため、市中銀行向けの外貨配分の減少はそのまま輸入信用状の開設の長期化につながるためだ。日本企業がエチオピア向け輸出ビジネスを考える場合、これまで以上に慎重に取引相手先を選ぶ必要がある。

エチオピア企業側でも、外貨アクセスを求めて輸出ビジネスへの参入が増えると見込まれる。エチオピアから輸出できる品目は限られているため、企業が参入するのはコーヒー豆など、一次産品取引所を通さなくても輸出可能な商品作物になると予想される。新規参入が増える結果、それら商品作物の流通市場が荒れる可能性もでてくる。

(注)Retention Account。かつては入金外貨の一部が一定期間に外貨で保持された後に未利用分を内貨に転換される仕組みだったため、外貨「一時」保有口座との訳語を当てている。現在は、外貨「一部」保有口座と言える運用実態だが、過去の通商弘報、ビジネス短信との継続性を踏まえて、旧来の外貨一時保有口座としている。

(関隆夫)

(エチオピア)

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