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米連邦通信委員会、中国電信アメリカスの免許取り消し

(米国、中国)

ニューヨーク発

2021年10月28日

米国連邦通信委員会(FCC)は10月26日、中国電信アメリカス(China Telecom Americas)に対する米国関連事業の免許を取り消す行政命令を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

中国電信アメリカスは約20年前にFCCから認可を受け、米国で通話・情報通信(IT)サービスを提供している。同社については、司法省など複数の省庁が2020年4月に、中国政府の影響下にある国有企業として事業免許の取り消しを勧告し、FCCが同年12月に調査を開始していた。

FCCは調査の結果、安全保障の環境変化を踏まえ、中国政府による中国電信アメリカスへの所有と支配は、中国側に米通信へのアクセスや侵入の機会を与え、スパイ活動やその他の米国に有害な行為を許すリスクがあると判断した。FCCは、調査における中国電信アメリカスの主張は信頼性に欠けるとして認めず、また、免許取り消し以外のリスク軽減措置では国家安全保障・法執行上の懸念は払拭(ふっしょく)できないと説明している。

中国電信アメリカスは今後60日以内に、米国を経由する国内外の事業を終了する必要がある。FCCは、終了に伴って他の通信サービスに移行する必要のある米国の利用者を支援するため、消費者が検討可能なオプションなどについてガイダンスを公開する予定だ。

FCCのジェシカ・ローゼンワーセル委員長代行は今回の決定について、「安易に行った決定ではない」として、FCCが通信ネットワークへの監督を強化した証しと述べた。また、今回の決定を通じて、外国事業者への免許を取り消すための明確な基準と手続きが確立されたとコメントし、今後の検討として、中国聯合通信(チャイナユニコム)アメリカやパシフィック・ネットワークス、コムネットなど、中国政府の影響下にあるとみられる企業に対する調査を急ぐとしている。FCCは今回の決定とは別に、華為技術(ファーウェイ)など中国の通信関連会社への認証を禁止する規則案などを発表している(2021年8月23日記事参照)。

なお、ローゼンワーセル氏は、ジョー・バイデン大統領により次期FCC委員長に任命されており、上院議会の承認を得られれば正式に委員長に就任する。

中国電信の米国事業は小規模な一方、新アメリカ安全保障センターのマーティン・ラッサー上席研究員は「北京(中国政府)に対して、誰が大統領でも、米国は中国系IT企業の脅威への懸念を有し続けるという幅広いメッセージになる」と述べ、今回の決定の重要性を強調している(ブルームバーグ10月26日)。トランプ前大統領に任命された共和党系のブレンダン・カーFCC委員は、今回の決定を支持しつつも調査の強化・拡大を求め、中国のドローン製造大手ディー・ジェイ・アイ(DJI)をFCCの調査対象に加えるよう要請している。

(藪恭兵)

(米国、中国)

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