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ASEAN主要6カ国の第2四半期GDP、6四半期ぶりに全ての国がプラス成長

(ASEAN、ベトナム、タイ、フィリピン、シンガポール、マレーシア、インドネシア)

アジア大洋州課

2021年08月18日

ASEAN主要6カ国(シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム、インドネシア)の2021年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率の統計が出そろった(注1)。新型コロナウイルス感染拡大の影響で低迷が続いていた経済が回復し、2019年第4四半期(10~12月)以来、6四半期ぶりに主要6カ国全てでプラス成長となった。

各国の第2四半期成長率を高い順にみると、マレーシアが前年同期比16.1%〔第1四半期(1~3月):マイナス0.5%〕と最も高かった。続いて、第1四半期もプラス成長の成長を記録したシンガポールが14.7%(1.5%)、フィリピンが11.8%(マイナス3.9%)とそれぞれ2桁成長となった。さらに、タイが7.5%(マイナス2.6%)、インドネシアが7.1%(マイナス0.7%)だった。ベトナムは、シンガポールと同じく、第1四半期に続きプラス成長の6.6%(4.7%)となった。6カ国全てでマイナス成長から脱し、高い成長を記録したが、前年同期に唯一プラス成長を維持したベトナムを除く5カ国については、前年の反動増での高成長ともいえる。特にマレーシア、シンガポール、フィリピン、タイは、前年同期に2桁台のマイナス成長で大きく経済が減速していた(添付資料表参照)。

2021年の見通しは国際機関が感染再拡大を理由に引き下げ

大きくプラス成長となった第2四半期だが、2021年通年の予測については、各国際機関の見立ては厳しい。アジア開発銀行(ADB)は7月20日、新型コロナウイルスの感染再拡大に伴い、複数の国でロックダウンなどの行動規制が実施されていることを理由に、東南アジアの成長率を前回発表(4月)より0.4ポイント低い4.0%と予測(2021年7月29日記事参照)。ASEAN主要6カ国のうち、シンガポールを除く5カ国(ベトナム、マレーシア、インドネシア、フィリピン、タイ)の予測を引き下げている。また、IMFも7月27日、直近の新型コロナウイルスの流行が経済活動の足を引っ張るとして、ASEAN5カ国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム)の成長率について前回発表(4月)から0.6ポイント引き下げ、4.3%としている(2021年7月29日記事参照)。

ワクチン接種率はシンガポールが先行

同地域の成長のカギを握るのはワクチン接種率だ。添付資料の図は、英国オックスフォード大学の研究者などが運営するアワー・ワールド・イン・データから取得した8月14日時点のASEANにおけるワクチン接種状況だ。規定のワクチン接種を完了した人の割合(注2)は、シンガポールが69.6%と先行している。ワクチン接種が進む同国では8月11日、シンガポール貿易産業省(MTI)が、2021年上半期の国内経済が予想を上回る成長だったことを受け、2021年通年のGDP成長予測を、前回発表(2020年11月)の「前年比4.0~6.0%」から、「6.0~7.0%」へと上方修正すると発表(2021年8月11日記事参照)している。

一方、それ以外の国では、マレーシアで32.2%。続くフィリピンとインドネシアが約1割、タイが7.2%、最も低いベトナムは1.3%となっており、先行するシンガポールとそれ以外の国とで接種率に大きな差がある。

(注1)各出所は以下のとおり。マレーシア:マレーシア中央銀行/統計局、フィリピン:フィリピン統計庁(PSA)、シンガポール:貿易産業省(MTI)、タイ:タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)、インドネシア:インドネシア中央統計庁(BPS)、ベトナム:ベトナム統計総局。

(注2)ワクチンの種類に応じて必要な回数の接種を完了した人数(例:2回の接種が必要なワクチンであれば2回の接種を完了した人数)。

(三木貴博)

(ASEAN、ベトナム、タイ、フィリピン、シンガポール、マレーシア、インドネシア)

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