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新ガス法が施行、国営企業による独占市場の開放目指す

(ブラジル)

サンパウロ発

2021年04月22日

ブラジルで4月8日、天然ガス市場の活性化に向けた法律第14,134号が公布され、即日施行した。同法は、天然ガスの運輸・配給・売買に関する規制を柔軟化し、国営石油会社ペトロブラスの独占市場に民間企業の参入を促すもの。その目的は、同産業の競争力を強化することでエネルギーコストを低減させ、製造業の生産性向上につなげることにある。

重要な改正点は、天然ガス事業への民間企業参入手続きの柔軟化だ。2009年以降、新たなガスパイプラインを設置する場合、民間企業は入札への参加が必要とされていたが、鉱山エネルギー省が2020年11月に公表した「新ガス法承認に向けた報告書」によれば、入札手続きの複雑さなどにより、この制度の下で民間企業によるパイプライン設置の実績はなかったという。

この度の法律成立によって、民間企業は入札への参加の必要がなくなり、事業計画書をインフラ案件の提供元に提出し、許可を得ることで事業参入が可能になる。複雑な入札条件がなくなるため、多数の企業からの参入機会が見込まれ、企業間競争によるガス価格の削減効果が見込まれる可能性がある(2020年9月7日記事参照)。

鉱山エネルギー省傘下のエネルギー調査公社(EPE)が2021年2月25日に発表した報告書によると、ガス事業では2021年から2030年までに約38億4,000万レアル(約730億円、1レアル=約19円)の投資が見込まれている。ブラジル化学工業協会(ABIQUIM)の2021年4月9日付プレスリリースによると、天然ガスを多量に利用する産業界からは前向きな反応がみられた。全国工業連盟(CNI)のホブソン・アンドラーデ会長は4月9日付の同協会公式サイトのプレスリリースにおいて、投資誘致により事業拡大や雇用創出へつながるため、「新型コロナ禍」の経済危機を乗り切るために重要なものになると述べている。

ABIQUIMの4月9日付プレスリリースによると、近年、メタノールやイソシアネート(注)、肥料など、天然ガスを原料とした化学品の国内生産は高コストのために国内生産のシェアが縮小し、海外製品が多く流入しているという。新たな法律の施行はこの現状を改善するための糸口になる、とABIQUIMは期待を寄せている。

(注)ポリウレタンの材料になる化合物。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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