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キューバ政府接収資産への賠償訴訟解禁、最初の被告は米カーニバル社

(米国、キューバ)

ニューヨーク発

2019年05月09日

米国政府はキューバ自由民主連帯法(通称:ヘルムズ・バートン法)第3章の適用除外を予定どおり5月2日に廃止した(2019年4月18日記事参照)。これにより、キューバ革命政権に接収された資産を利用して直接または間接的(第三者経由)に利潤を得る商業行為をする企業に対して、当該資産の米国人所有者(主にキューバ系米国人)が米国の裁判所に損害賠償訴訟を起こすことが可能となった。

これを受けてキューバ系米国人2人が同日、フロリダ州に本社を置くクルーズ船会社カーニバル・クルーズ・ライン(以下、カーニバル)を訴えた、と「マイアミ・ヘラルド」紙が伝えている。キューバ政府により接収された両家族所有のハバナ港やサンティアゴ・デ・キューバ港湾施設内の建物やドックをカーニバルが商業利用していることが訴えの理由となっている。原告のミカエル・ビーン氏は「カーニバルはわれわれ家族が死に、いなくなることを願っていた」「キューバ亡命コミュニティーとヘルムズ・バートン法のおかげで、60年の時を経てようやく正義を勝ち取ることができる」と述べている。

今回の被告は米国企業だが、ヘルムズ・バートン法は日本を含む第三国の企業も賠償請求の対象としている点に留意すべきだ。米国民の資産は、米国司法省の外国居住者クレーム処理委員会で認定されており、同委員会によると、これまで米国民からのクレーム件数は8,821件、うち認定件数は5,913ある。外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますその損賠賠償額は約19億ドルに上り(日本時間5月8日現在)、キューバには相当数の米国人資産が存在すると考えられる。日系商社の間では、取引先が損害賠償対象になることで、対キューバ輸出に影響が出ると懸念する声が聞かれる。上記の港湾施設を含む政府関連施設、外国企業の進出が進むマリエル特別開発区、伝統的に商業行為の多い鉱山やホテルといった観光施設などで商業行為をしている企業には、資産の所有者の確認など早急な対応が求められる。

(若松勇)

(米国、キューバ)

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