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世界初の褐炭水素プロジェクトの開始

(オーストラリア、日本)

シドニー発

2018年04月24日

オーストラリアの大手エネルギー会社AGLエナジーと、川崎重工業、電源開発、岩谷産業、丸紅の5社連合は、ビクトリア州ラトロブバレーにおける、褐炭から製造した水素を液化して日本へ運ぶ「褐炭水素パイロット実証プロジェクト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の開始を決定し、4月12日に起工式典を開催した。

日豪協力で、新エネルギー開発事業

同プロジェクトにはオーストラリア連邦政府のほか、ビクトリア州政府から資金支援が約束されている。式典には、オーストラリア連邦政府のターンブル首相、フライデンバーグ環境エネルギー相、キャッシュ雇用イノベーション担当相が出席し、連邦政府の同プロジェクトに対する期待感がうかがえた。他方、日本側は平木大作経済産業大臣政務官のほか、草賀純男駐オーストラリア大使、松永一義在メルボルン総領事も出席した。

同プロジェクトにかかる総費用は、4億9,600万オーストラリア・ドル(約416億6,400万円、豪ドル、1豪ドル=約84円)に上る。オーストラリア連邦政府と州政府からの1億豪ドルの補助金に加え、日本政府(経済産業省、新エネルギー・産業技術総合開発機構)も資金供与する予定だ。

同プロジェクトを主導する川崎重工業は、日本の水素供給最大手の岩谷産業とともに、液化水素積荷基地の建設と運用評価を担当する。日本の最大卸電力会社である電源開発は、クリーンコールエネルギー技術にて高い評価を得ており、褐炭のガス化と、抽出された水素ガスの精製設備を担当する。丸紅は、将来の水素の商用サプライチェーンの構築を担う予定だ。今後、褐炭ガス化試験設備の詳細設計を行い、2019年の半ばごろに現地で建設に着手、2020年に実際の燃料ガス化試験を開始する見通しだ。

オーストラリアに埋蔵する褐炭の量は、日本のエネルギー需要240年分に相当するとされ、日本のエネルギーの安定供給を確保する上でも重要な役割を果たすものと期待される。

ターンブル政権から高い期待が寄せられる

ターンブル首相は、本件について、他の2閣僚と連名でプレスリリースを発表した。同プレスリリースには「当プロジェクトは、長年にわたる日豪のエネルギー・資源分野での貿易関係に基づいている。この水素エネルギー・サプライチェーン・プロジェクトは世界初の試みで、最先端の技術を利用し、オーストラリアに水素の生産と輸出の可能性をもたらし、400人の雇用を生み出す」と記載されている。

(小柳智美)

(オーストラリア、日本)

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