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将来有望な産業創出に向け優遇措置を拡充-経済拡大奨励法の改正法案が成立-

(シンガポール)

シンガポール発

2016年04月12日

 経済拡大奨励法〔Economic Expansion Incentives(Relief from Income Tax)Act〕の改正法案が3月14日、シンガポール国会で可決、成立した。同法にはシンガポールにおける特定産業(「パイオニア産業」)の創出や事業拡大に対する税制面での優遇措置が規定されているが、今回の改正でその内容が拡充された。

<政府の認定により法人税を減免>

 優遇政策の第1として、経済拡大奨励法に基づきシンガポール政府から「パイオニア・ステータス」の認定を受けた企業に現在、優遇措置が適用されている。また、将来有望と政府が認めた製品(パイオニア・プロダクト)の製造を行っている企業(パイオニア・エンタープライズ)に対しては、当該製品の取引に係る法人税が最長で15年間免税される。さらに、経済拡大奨励法で規定する「適格活動」を提供する企業(パイオニア・サービス・カンパニー)にも、同様にパイオニア・ステータスが付与され、最長15年間、法人税が免税される。「適格活動」は経済拡大奨励法第16条に、「コンサルティングや研究開発活動を含むエンジニアリングサービスまたは技術サービス」「コンピュータ関連サービス」などが規定されている。これらの優遇措置は、シンガポールの高付加価値産業・ハイテク産業の成長を促すことが目的だ。

 

 第2の「開発・拡張インセンティブ」は、パイオニア・ステータスの認定を過去に受けていた企業や同認定を受けられなかった企業を対象とする優遇措置で、新たな投資や設備の更新などによる事業拡大を促進するため導入された。政府による認定を受けると、「適格活動」(注)から生じる増分所得について、5%を下回らない優遇税率が適用される。適用期間は当初は最長で10年間だが、認められれば、20年間まで延長が可能だ。

 

1企業が複数の認定を受けることが可能に>

 現行法では、パイオニア・ステータスと開発・拡張インセンティブの認定は「企業」を単位として行われているが、今回の改正で、認定が「製品」または「適格活動」ごとに行われることになった。これにより、各企業は複数のパイオニア・ステータスの認定を受けることが可能となり、製品または適格活動ごとに優遇措置が適用されるようになる。

 

 例えば、既にパイオニア・ステータスの認定を受けている企業であっても、パイオニア・プロダクトと認められた製品を新たに製造すれば、その製品についてパイオニア・ステータスの認定を受けることが可能になり、既存とは別個の優遇措置が適用される。

 

 リム・フンキャン貿易産業相(貿易担当)は今回の改正の目的について、「既存の企業も含めた全ての企業にシンガポールでのさらなるパイオニア活動の継続、事業の拡大を奨励し、シンガポールの経済活動を促進すること」と説明し、「シンガポールの優遇税制の有効性をチェックし、経済状況が変化した際でもその競争力と妥当性を維持していくという政府のコミットメントを示したものだ」と述べた。

 

<新規認定は202312月末で終了>

 今回の改正により、開発・拡張インセンティブの認定を受けた企業に適用される優遇税率が「5%または10%のいずれかで、貿易産業相(貿易担当)が認定書で規定する」と、より明確化された。

 

 なお、パイオニア・ステータス、開発・拡張インセンティブとも202411日以降の認定は行わないとする「サンセット条項」も追加されている。優遇措置の申請を検討している企業は留意が必要だ。

 

(注)経済拡大奨励法第19I条には、第16条に規定する適格活動のほか、「シンガポールにとって経済的利益となる産業の製品の生産または生産増加」などが規定されている。

 

(阿部直樹)

(シンガポール)

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