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安倍首相がチリを訪問、さらなる協力推進を表明−ジェトロがサンティアゴで貿易・投資フォーラム開催−

(日本、チリ)

サンティアゴ事務所

2014年08月06日

安倍晋三首相が7月30〜31日、中南米歴訪の4ヵ国目になるチリを公式訪問した。30日にはカセロネス鉱山の開山式に参加し、翌31日にはミチェル・バチェレ大統領との首脳会談を行った。首脳会談に先立ち、ジェトロは安倍首相を迎え、サンティアゴ市内で日本・チリ両国間の貿易・投資関係や新たな事業展開の可能性などをテーマにした「日本・チリ貿易・投資フォーラム」を開催した。

<緊密化する両国の経済関係を評価>
7月25日から始まった安倍首相の中南米歴訪の中で、チリはメキシコ(2014年7月31日記事8月5日記事参照)、トリニダードトバゴ、コロンビアに次ぐ4番目の訪問国となった。

ジェトロが、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、国際協力機構(JICA)と共同で開催した「日本・チリ貿易・投資フォーラム」(注1)には、日本政府から安倍首相、世耕弘成内閣官房副長官、西村康稔内閣府副大臣らが、チリ政府からは外国投資委員会(CIE)のホルヘ・ピサロ副委員長らが参加した。また、榊原定征日本経団連会長をはじめ安倍首相に同行した日本企業関係者も参加した。両国政府関係者や現地企業関係者、チリでのビジネスを実施・検討する日本企業関係者など参加者は約300人に達した。

両国関係者で満席の会場

オープニングセッション冒頭の主催者あいさつで、ジェトロの石毛博行理事長は「2007年に経済連携協定(EPA)が発効して以来、日本とチリの経済関係は以前にも増して緊密化してきている」と述べ、今回のフォーラム開催が、従来の資源分野に加え、防災、地上デジタル放送、再生可能エネルギーなどの新たな分野における両国関係構築のきっかけとなるよう期待感を示した。

同セッションで安倍首相は、日本企業が権益を持つカセロネス鉱山をはじめとした大規模銅鉱山が2014年に本格生産を迎えることや、安倍首相とバチェレ大統領の第1次政権時である2007年に日本チリEPAが発効したこと、近年日本がチリにとって第1位の投資国となっていることなどを例に挙げ、両国間の良好な経済関係を強調した。また、今後これらの関係をより一層緊密化するとともに、チリが加盟している太平洋同盟や交渉中の環太平洋パートナーシップ(TPP)を通じ、アジア太平洋地域における両国の協力をさらに推進したいとの考えを表明した。

両国の協力推進を表明した安倍首相

一方、ピサロ副委員長は、チリ政府とCIEを代表して両国間の経済や政治面で友好関係が一層緊密化することへの期待を述べた。両国の関係は1897年の日本チリ修好通商航海条約署名にさかのぼる長い歴史を持つが、EPA締結により両国間の貿易・投資が活性化され、2013年には貿易額が98億ドルを超え、鉱業、エネルギーなどへの投資額は37億ドルを超えるなど、経済を中心とした両国の関係がダイナミックになっていると説明した。また、この機会にチリという国、国民、景観をよく知ってもらい、両国間の関係が強化されるよう期待すると述べた。

<2つのセッションで両国の取り組みを紹介>
オープニングセッションに続き、「『確かな補完関係』を基礎とする両国間の貿易・投資関係」「新たな日本・チリ関係の可能性を切り開く事業の展開」をテーマとした2つのセッションが開催された。セッションでは日本企業など(注2)の代表者が、チリにおけるこれまでの経験や今後のプロジェクトを紹介した。さらに、チリの経済発展に対する期待や両国関係の強化に意欲を示した。

各セッションでは、チリの企業や政府機関も講演を行った。その中で、アントファガスタ・ミネラルズのラモン・ハラ相談役が鉱業部門を代表して講演した。同相談役はチリの銅鉱業が世界生産の32%相当の銅を生産するまでに発展した理由として、(1)開放的な経済政策に基づく自由市場、(2)1974年の外資法(政令法600号)で、国内の投資家と国外投資家とを区別せず、投資環境の安定性を保証したこと、(3)1982年の鉱業コンセッション法(法律18097号)や1983年の鉱業法(法律18248号)によって、鉱業開発の制度的枠組みを作り上げたこと、を挙げた。また今後、銅鉱業がさらなる発展を遂げるためには、地下資源の探査を続けることはもとより、エネルギーや水資源などにおいても投資を促進する政策の実施や開発に携わる人材の育成などが必要だと述べた。

また、国家イノベーション競争力評議会(CNIC)のゴンサロ・リバス・ゴメス会長が、経済・社会両面において大きなインパクトを与える、チリ国内の自然条件を生かした各種のプロジェクトを紹介した。チリ北部では太陽光などのクリーンエネルギー開発に加え、日本の国立天文台も参加するアタカマ砂漠におけるALMAプロジェクト(注3)などが進められている。また、科学、教育、医療分野での活用が期待されている、大容量の情報通信を可能とする南部アウストラル地方の海底光ケーブル敷設についても紹介した。

(注1)フォーラムの様子については、「ジェトロ・トピックス」でも紹介している。
(注2)講演した日本企業・団体は、JX日鉱日石金属、住友金属鉱山、日鉄鉱業、米国三井物産、三井不動産、港湾空港技術研究所、NECラテンアメリカ、前川製作所、日本電子、テルモ(講演順)。
(注3)ALMAプロジェクトは、チリ北部アタカマ砂漠の標高約5,000メートルの高原に高分解能の電波望遠鏡を設置し、宇宙の観測を行う国際プロジェクト。ALMAとはAtacama Large Millimeter/submillimeter Arrayの略称。ゴメス会長によると、ALMAプロジェクトの電波望遠鏡で、世界中で得られる天文学データの7割に当たるデータが入手可能という。

(堀之内貴治)

(チリ・日本)

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